江面弘也『名馬を読む』

JRAが公式に認定している顕彰馬32頭を順に紹介されている。
何かひとつのジャンルにについての体系的な知識をつけようと思ったら全体と細部を行ったり来たりするのが常道だけど、全体の見取りに関してはやっぱりまだネットより本に信頼を置いてるので手に取ってみた。
特に競馬は世代を越えて受け継がれる血統や世代ごとのライバル関係、生産牧場やオーナーなどで関係性が生まれるのでざっと歴史的に概観できるこういう本がとても助かる。

個人的にいちばん良かったのは時代ごとの競馬シーンの雰囲気やそれぞれのスターホースを取り巻く社会的な状況についての説明。一口に名馬と言っても戦後のトキノミノル、70年代のハイセイコー、90年代のオグリキャップとそれぞれに世間的な人気の出方は違っている。ハイセイコーは「競馬の中にハイセイコーブームがあったのではなくハイセイコーブームの中に競馬があった」とまで言われたり、ぬいぐるみが象徴しているように競馬が女性ファンや一般層にまで裾野が広がったのがオグリキャップを嚆矢とした90年代競馬ブームだったとか。だからナリタブライアンとかは自分でもなんとなく名前知ってたんだとか自分の中のバラバラの知識が繋がっていく感覚がある。

筆致も明確で、それぞれの馬のキャラクターが簡潔に説明されてる。まあたしかに擬人化向けだわとは思う。他の擬人化ジャンルにも言えることだけど、馬自体のキャラクター化っていうよりむしろ馬に加えて生産牧場やオーナーの意向、調教師、騎手、そして馬の辿った物語をすべてまとめて1人に流し込んでるっていうほうが近いんだよね。

2巻はこれら公式のJRA顕彰馬から漏れた名馬が取り扱われているとのこと。これから読む。

あと1人だけグッドエンド失敗してたゴルシリベンジした。勝負服も取った。