ジュディス・L・ハーマン『心的外傷と回復』

トラウマ研究の古典中の古典らしい。あまりにも筆致が生々しく真に迫りすぎていて読んでると普通に気分が滅入ってくるのでまともに読めてない。原著の出版は1992年、翻訳は1996年。

中井久夫先生による訳者解説がまだどうにか読める。それでも訳業の過程で自らのいじめ体験や戦争体験が連想されていってまったく翻訳が進まなくなっていった旨が書かれている。
日本は阪神大震災によってPTSDが周知されるようになったらしく、1995年当時神戸大学にいた中井先生は身を持ってPTSDを知ることになったらしい。その当時の中井先生を持ってしても阪神大震災ですらまだ序の口とまで人為性のPTSDの深淵に戦いている様子が記されている。

それにしても「トラウマ」の言葉の通りの良さに対して正式に診断名としてPTSDが認定されたのが信じられないくらい最近なことに驚く。1970年。