月: 2022年11月

〈物語〉シリーズ完走

元々は輪るピングドラムの劇場版が上映されないので代わりに観始めた。
超長期シリーズなのでなんとなく放送時にリズムに合わせたかったのと観終わるのがもったいなかったので半年くらいかけてちょっとずつ消化してたけどついに終わってしまった。面白かった。想像上のカタルシス。

元々は2010年代の大作をさらっときたいなってモチベの一貫だったんだけど、本当に見所が多かった。時代の雰囲気を感じさせる一方で他とは一線を画した独自性があったり、古さを感じさせる一方で現代に繋がる部分もあったり。
シャフトってまどかマギカの頃は覇権スタジオ一番手くらいの勢いあったのにその後なんとなく影薄くなったなと思ってたけど、良くも悪くもこれに出会ってしまったのが決定的だったんだな。

内容的にはまず何よりライトノベル原作で足掛け10年話数で100話という長さが圧倒的で、それも最初から全体の構成が決まっているというより多分書き続けているうちに構想がどんどん膨らんでいったように見えるので、こういうのをフル映像化したのはさすがに凄い。原作は触れてないけど物語モチーフには西尾維新成分だけでなくシャフトや新房監督のエッセンスもかなり入ってるだろうなと思った。

大まかな構成としてはラノベテンプレのヒロイン攻略に従ったファーストシーズン、視点がそれぞれの女の子に変わるセカンドシーズン、それを経て阿良々木くん本人にスポットが当たるファイナルシーズン。それこそ西尾維新的ダジャレセンスだけど結果的には源氏物語の現代版みたいになったんじゃないかな。1人の男の子と様々の女の子たちのお話。

それとアニメーション的に各セクションに切り分けても出色の部分が。ぽよよんろっくこと渡辺明夫のキャラデザに拠った人体の作画だったり、今の時代かなり珍しいと思われるハイクラスの声優の揃え方だったり。内容的にもほぼ喋り合いで進む話だし声優の力相当大きかったな。
演出も正直シャフト節って基本しょうもないよなと思ってるけどファイナルシーズンの頃にはかなり冴え渡った緊張感のある画面になっていて感心しながら観てた。

あとはやっぱり音楽か、staple staple・帰り道・ambivalent world・恋愛サーキュレーション・sugar sweet nightmareは昔から聴いてたのでなんとなく本編も観たかったのも結構大きい理由だったかな。
ファイナルシーズンまで観てもやっぱりこの5曲は頭1つ抜けていいなと思ったけどそれでもファイナルシーズンの忍野扇(CV:水橋かおり)によるdark cherry mysteryは本当に良かった。この曲を聴くために100話くらい観たのかもしれないと思えるほどの圧倒的カタルシス。

本当に楽しかった。本当に観終わるのがもったいなかった。まだいくらでも書けるし語れる気がする。そして恐ろしいことに原作はまだ全然続いてるみたい。


やばい

本当にずとまよばっかり聴いてたり観たりしてる。













 

 


天気の子

なんかずるずる観るタイミング逃し続けてて茶々入れるつもりでテレビで観たけど存外面白かった。君の名はより全然好き。
セカイ系のルート選択システムを踏襲しててラストで女の子を救って東京が沈没するってのだけ知ってたけど、もう1個大人と少年の対立が含まれるレイヤーがあってあーみんなこれのこと言ってたのかーと思った。

実質的な主人公は帆高くんとライターの須賀の2人で、たぶん村上春樹のツイン主人公システムに則っている。帆高くんは少年期の誇大妄想(吉本隆明は共同幻想論で入眠状態と書いていた)、須賀は成熟した現実主義の大人をそれぞれ表象していて、制作当時の40代の新海監督も投影されてたりするのかな。
劇中で起こる超能力や超常現象のほとんどは帆高と陽菜の視点だけで見える幻覚に近い(グラスリップもこれ)。帆高の決意とは関係なくただの異常気象で東京は沈む。大人の客観的視点から見れば。それでもそういう客観的事実とはべつに主観的な真理は確固として存在していて、それを想起した人は涙を流す。神話的時間みたいに。