天気の子

2022年11月6日

なんかずるずる観るタイミング逃し続けてて茶々入れるつもりでテレビで観たけど存外面白かった。君の名はより全然好き。
セカイ系のルート選択システムを踏襲しててラストで女の子を救って東京が沈没するってのだけ知ってたけど、もう1個大人と少年の対立が含まれるレイヤーがあってあーみんなこれのこと言ってたのかーと思った。

実質的な主人公は帆高くんとライターの須賀の2人で、たぶん村上春樹のツイン主人公システムに則っている。帆高くんは少年期の誇大妄想(吉本隆明は共同幻想論で入眠状態と書いていた)、須賀は成熟した現実主義の大人をそれぞれ表象していて、制作当時の40代の新海監督も投影されてたりするのかな。
劇中で起こる超能力や超常現象のほとんどは帆高と陽菜の視点だけで見える幻覚に近い(グラスリップもこれ)。帆高の決意とは関係なくただの異常気象で東京は沈む。大人の客観的視点から見れば。それでもそういう客観的事実とはべつに主観的な真理は確固として存在していて、それを想起した人は涙を流す。神話的時間みたいに。