その頃Twitterで四六時中絡まれていた子がいた。
当時の僕は大学に入って5年目になっていた。地方のあまり出来のよくない高校から学年で1人東京の大学に進学したものの、生活は何もうまくいかず、アパートで鬱々と引きこもる生活が続いていた。
それでも前年に鬱が底を打って少しだけ大学に通えるようになってきていた。Twitterを始めたのがすべてだった。タイムラインだけが外界との繋がりだった。
その子とフォロー関係になったのは春頃だった。オタク女らしいウザさで誰かに絡んだり誰かに絡まれたりしていた。なぜか僕には特に興味を持っていたみたいだった。朝から晩までリプライが飛んできていた。今考えると精神的にずいぶん助けられていたと思う。本当に鬱陶しかったけど。
秋頃に急にアカウントを消した。その直前にとても印象的な一言をくれたのをずっと覚えてる。
数日後に共通のフォロワー経由で都内に呼び出されて言伝てをもらい、僕の影響でした三島塔子のコスプレで使ったとかいう狐のお面と、ローリーズファームのマフラーを手渡された。そういえばあれが初めてのネットの人と会う経験だった気がする。
今でも思い出す。今は何をしているんだろう。
マフラーは今もクローゼットの一番上で眠っている。
冬に東京に行くときは必ず持っていくようにしていた。