ジャン=リュック・ナンシー『恋愛について』、アラン・バディウ『愛の世紀』

ナンシーが亡くなった。
彼を知ったのは最近になってからで(おそらく2017年以降)で、フランス現代思想として括られる哲学者の中でもいまだ存命中で執筆活動を続けていたことに驚いた。

ナンシーへの関心はハイデガーの哲学からのものだったけど、実際に手にとって突出して惹かれたのはこの小さな本だった。『無為の共同体』も本棚に刺さっているけど相当な体力がいる本でまだ読めそうにない。

内容はナンシーがフランスの中高生に向けての講演を収録したもの。要約できるような思想が表現されているわけじゃない。むしろ100ページ足らずの薄い本なのに要約するのはきわめて難しい本だと言ってもいい。
内容はといえばナンシーが愛とはなんぞやということについてとうとうと語り、聴講者の学生からの質疑応答が収録されている。ナンシーは「愛とは何か」という古代ギリシャ哲学のような抽象的なテーマに逃げずに正面から正直に語っている。片思い、告白、結婚、バレンタイン、性、結婚。しかし、そこにナンシーの哲学が内包されていることがはっきりと予感される。
ナンシーはこの愛というものが人間存在にとって本質的で絶対的なものだということを陰に陽に示そうとしている。これは単なる感情の1つじゃない。
ナンシーは講演の中頃に「情熱的な愛」について話し出し、パッション(情熱)という言葉を持ち出す。知っている人なら知っているけどこれは受苦・受難という意味もある(アクション=行動の反対語)。自分の外からやってくるもの、自分の意志を越えて外から降ってくるもの、みたいなニュアンス。ナンシーはここで愛をハイデガー的な存在の贈与(es gibt)に読み替えているように見える。愛はこの世界に「存在」するのだというように。

私たちは愛を受け取るのです。たとえ愛を与えるときでさえ。これは大切なことです。誰かを愛しているとき、私たちは愛を相手に与えますが、それは自分がどこかから受け取ったものを与えるのです。それは相手から受け取ったのかも知れません。とにかく自分自身との関係以外のところで受け取ったものなのです。愛はどこからも来ないようで、でもあらゆるところからやって来て、それによって、私たちは相手にとらわれ、その人に向き合うことになるのです。私たちは、相手の男性や女性が持っている絶対に唯一のものにとらわれるのであって、その人が面白いとか美しいとか頭がいいとか利口だとかいった性質や、ましてお金持ちだとかそんなことにとらわれるわけではありません。

バディウの本は愛についての研究史という趣きが強い。特に哲学史においてどのように愛が解釈されてきたかを通し、バディウの恋愛論が展開される。
とりあげられるトピックはどれもとても面白い。個人的にはベケットの作品は愛の最も深い形態を描いているという言及はずっと印象に残っている。

まあロマンチックすぎるのはそうなんだけど、でもやっぱこういうところはあんまりシニカルになりすぎないでいたいよなと思う。つくづくろくな人生送ってないんだけど、本当に。


エイシンフラッシュ

2ヶ月くらいまともにウマ娘触ってなかったけどやっとエイシンフラッシュが実装されたので復帰。
サイゲゲー何本かやってるともうだいたいゲームが辿るルートわかるんだけど、さすがに半年持たずに失速するとは……。円盤特典の引換券の交換範囲が切れて即本命投入ってのもいかにもらしいというか……。
まあそれも承知で付き合うつもりで天井維持してたので問題なし。結局出たのは120連目。ひでえ商売だよ。


ばいんばいん。ウマ娘界の鷺沢文香。
勝負服もディアンドルでフリフリがかわいい。等身も高めで全身の印象は意外と清潔感がある。言い訳です。ごめん。でも人間ソシャゲみたいなやくざな趣味やってるからには乳のでかさに釣られてガチャを回すというところを忘れてはいけないと思うんだ。
ウマ娘の史実ネタは「エイシンフラッシュが童貞を殺す服着てるのは史実でパドックの馬体が美しすぎて馬体詐欺連発したから」が一番好き。

実装前に判明していたのが几帳面な時間管理キャラだったのでキャラ付け全振りのサイコ路線かと思いきや、蓋を開けてみれば表情豊かでとてもかわいいキャラだった。結構幼めというか、勉強ばっかりしてる天然タイプのポンコツっぽい言動が多々ある。

育成ストーリーはエイシンフラッシュの立てた完璧な将来設計へこだわりと実際の現実とのギャップとの戦いがテーマ。
クラシックではデビュー前に決めた3年間のキャリアスケジュールが崩れてしまい、それを他のウマ娘やトレーナーによって新しい視点を得ての再起、シニアではクラシックの経験によって得た現実主義と自らの弱気さが結びついて消極的になってしまいそうになるのを同室スマートファルコンの助けを借りて再び克服するお話。
全体を通して「他者の視点を得ることで頭でっかちで凝り固まったスケジュール主義を克服する」というのが強く、ゲスト出演キャラがめちゃくちゃに多い。会長やテイオーに始まりいきなり新登場してきたミスターシービー、そしてスペシャルウィークやゼンノロブロイ、マンハッタンカフェ、エアグルーヴ、フジキセキとありとあらゆる世代からライバルが出てくる。どうも史実の同世代ライバル馬が実装されてないので代わりにその親が出てきてる?のかな?(ブエナビスタがスペシャルウィーク?)
この話の作りなので必然的にトレーナーへの矢印も強い。あざてー。

書きながらまとめてたら結構染みるストーリーだった気がする。
思い描いていた道が途絶えたとしてもオルタナティブを探すとか、それを逃げの口実にしないとか。

ストーリーのパートナーは同室スマートファルコン。
融通の利かない堅物と底抜けに明るいアイドルの信頼関係。百合も隙なし。清楚な黒髪とキラキラの栗毛でビジュアルもバランスもよい。

ダメ押しにフラッシュさま呼びのモブもいる。
全部入りかよ。さすがに笑ってしまった。

温泉も回収完了。

久しぶりにやったけどやっぱり面白かった。
クオリティはスマホゲームの限界レベルに来てると思うしサイゲームスさんももう少しこう、手心というか……。

 

 

 

あとこの数ヶ月ちょこちょこ触ってる間にやってたのといえばキャンサー杯。

マイル運用のセイウンスカイが強いらしいという情報だけ聞いて適当に(本当に適当に)育てたらAグレード1位が取れた。プラチナ称号。

 

ステもスキルもこの体たらく。予選もろくに勝ってなかったし完全に決勝マッチング運だけだった。
サイゲの対人ゲームバランスはとにかく極端で突き詰めるとやってられないのでやっぱりシャニマスみたいに好きな子実装されたら育成やるパターンで落ち着きそうだな…。サポガチャ回す意味がまったくない。

他に育ててたのはスマートファルコンとマルゼンスキー。どっちも面白かった。
ファル子はザ・アイドルって文脈とウマ娘らしい話の進行で特に良かったな。

体操服がかわいい。

このルックスを相殺するほどの濃縮還元みたいなキャラ付けで良かったよ。

他にすり抜けで来ててまだ育ててないのが水スペ、ヒシアマゾン、オペラオー、ナリタタイシン。ハーフアニバミッションやってるうちにやるかな。