切り口が難しいゲームだった

ゼノブレイド3一気にクリアまでやった。

いやープレイ中は欠点も目につくけど見どころもあるし……ってどっちつかずの印象だったけど、クリアして総括するとなるとどうしてももったいない作品だったなぁってとこに落ち着いちゃうな。

欠点としてはまあ、言い切っちゃうけど、メインストーリーが良くなかった。

そもそもの世界観が不自然に少年少女しかいない世界で戦争をさせられてるっていうもう開始即オチが予想できる設定だし、最後まで進めても最初の予想を越えるものがなかった。
伏線や意味ありげな謎の匂わせ方や過去作の固有名詞の匂わせ方なんかは興味を惹かれるんだけど、回収の仕方がどれもこれも拍子抜けするくらいあっさりしていて、カタルシスや印象に残るシーンや台詞がほぼない。エヴァの影響下にあるクリエイターの悪いところかもしれない。

敵の魅力もないし、パーティメンバーもキャラ自体は立ってるんだけど、メインストーリーの見せ場に関しては魅力的な場面がない。台詞も弱い。感情移入もしにくい。
唯一の例外は終盤差し掛かったあたりのエヌエム関連でノアとミオがようやく主人公とヒロインらしくなるところだったけど、それもなんか後に続かないのが……。

全体的にストーリーテリングが良くなくて面白みもあんまりなかった。1と2を融合させた世界かつニアとメリアっていう過去作の重要キャラ起用しといて使い方がここまで無味無臭なのは……。

一方で良かったのは探索や本筋に絡まないサブストーリー。世界中を回って数十のコロニーを来訪し、そのそれぞれにしっかり作り込まれたドラマと設定とデザインが作り込まれたプレイアブルキャラが用意されているってのはかなり良かった。ロマサガみたいなタイプのRPGの面白さに近いゲームだったかな。

いわゆるJRPGって例えるなら縦軸に一本道のストーリー、横軸に探索や戦闘があるとするとゼノブレイドはその両方を可能な限り最大化するってコンセプトで作られてると思うんだけど、2が縦軸の比重が大きすぎたとすると3は横軸に寄りすぎたとか言えるかもしれない。

ただねぇ、やっぱりもうJRPGってジャンル自体がもう息も絶え絶えになってる令和の世でそれでもゼノブレイドってタイトルに関心持ってる客層にはメインストーリーとキャラクターは本当に外しちゃダメだと思う。
RPGっていうフォーマットがなぜ強力かって言えば純粋なゲーム(遊び/遊戯)としてに加えて物語っていう人類最古の表現フォーマットが組み込めるからで、これが映画や小説みたいに心に残るものになるからだと思う。
実際にプレイ時間だけは過去作にも増してどんどん伸びていくんだけど、実際の感覚としては妙に手応えがないという不思議なゲームだった。途中でプレイやめたくなるほどのストレスやつまらなさもないんだけど、熱中するほどの没入感や高揚感もなくただ50点~60点くらいテンションが淡々と続くというか……。

ここまで書いたところでクリア後要素で負けヒロイン2人が加入したので後はこれでどれくらい加点されるかかな……。