90年代の解散済みバンドとして聴いていた頃がもう懐かしく思えるくらいのサニーデイ。
再結成後の漫然としたイメージを刷新した、サニーデイ特有の妄想癖のある青年の白昼夢のような世界観を極限まで推し進めた記念作・DANCE TO YOUとポップコーンバラッズがそれぞれ2016年と2017年なので、この時点からももうだいぶ経った。
この頃まだサブスクが一般化までは行ってなくてポップコーンがサブスク限定でリリースされたのがSpotifyを常用し始めるきっかけだった。
その後ドラマー丸山晴茂の死とヒップホップに接近した怪盤the CITYがリリースされたのが2018年、そういった喪の期間が明けて2020年に13枚目のアルバムいいね!がリリースされ…と辿ってみると今は再結成後第3期みたいな時期かな。
抜けのいいストレートなロックンロールバンドに変貌した最近のサニーデイ・サービス。
今回もライブもそのスタンスを十全に表現してた。曽我部恵一がとにかく元気でハイで作品も相当充実している様子だった。あんまり元気で喋りまくるのでこれ後で反動が来る躁状態じゃないよなと心配になった。
セトリもレコ発ツアーとは思えない充実度。特に後半はライブ定番のハイライト曲を詰めに詰め込んだ超ボリュームの構成。最終的に30曲やってた。やりすぎ。本当にいつ終わるのかと思った。しかもどこもかしこも冗談みたいにチケット代高くなってる時代に4500円だよ、これ。あとTOKYO SUNSET回収できたのが嬉しい
さて、もう1つ今回気になっていたこととして、最近のサニーデイは再ブレイクというか、わりと新規顧客を獲得しているということになってるんだけど、それが実際目に見えて確認できた。
曽我部のMCによると今回は2016年の同じペニーレーンでのライブに比べて動員が100人くらい増えたそう。ハコのキャパは500で、なおかつ地方公演の中でも最も動員が難しく避けられやすい札幌なのでこれはかなり凄いと思う。
実際周りを見てても若い人、特に男の子が多くて驚いた。高校生くらいも結構いたんじゃないかな?
サニーデイのライブはだいたいゆったり目にノッてる古参が多いんだけど、拳振り上げてる若い男子が結構いてこれは演奏してる側かなり嬉しいだろうなと思った。
さて、最後に個人的にハイライトだったのが、終盤にするっと差し込まれていた、「喪」の期間に作られた曲、『雨が降りそう』。
てきとうに笑って生きてた過去なんてないから
いま 涙があふれるのとめることもできないから
ごまかすための道具も逃げ場所もないから
いますぐにここで立ち上がることなんてできないから
雨が降りそう