初音ミク「マジカルミライ」10th Anniversary in SAPPORO 2022.02.05

2023年2月6日

ミクさんといえば何より地元のスーパースター。

デビューから成長していく過程はほぼ同時代だったけど、ボカロジャンル自体にはほとんど触れてこなかった。ニコニコ文化圏はみんなそう。

それでもこういう趣味で、特に音楽ジャンルなんか特に関心を払っていなくても触れる機会が多くなるし、北海道に帰ってきてからは毎年の雪ミクシーズンの熱気が楽しかったのでごく自然に好きになっていった。ナナシスからの間接的な影響も大きいかな。そもそももはや概念と化していて絵でも造形でもコラボでもありとあらゆるジャンルに出張している時点で好きも嫌いもない。

2019年の氷のお姫様をコンセプトにしたキービジュアルが特に好きだった。

ただやっぱり初音ミクないしボカロってコンテンツ自体にきちんと向き合ったことはなくて、どこかふわっとした付き合い方しかしてこなかった。

特に興味があったのは何よりライブで、たまにテレビで流れてるバーチャルシンガーのライブを観ては一度行きたいなと思っていた。思っていただけで倍率は高いし曲もほとんど知らない、それも動画サイトで音楽を聴く習慣がないので余計に入り口がわからないまま遠巻きに眺めているだけだった。

そんなこんなで時は流れているうちに2023年、札幌でマジカルミライ開催。それも会場はhitaruという会場だけで一定レベル以上の満足度が保証されているということでこれはと思いすぐに申し込んだ。

SS席があっさり当選したのでやっぱり札幌はハードル高いかと軽く考えていたけれど、後々とてつもなく幸運だったことを知る。

ロビーは10周年に合わせて歴代のビジュアルで飾り付けられていて楽しかった。やっぱりこういうライブの華やかさは他に代えがたいものがあるね。

ライブ本編は、いや、すごかった。感動しっぱなしだった。

頭ではわかってたはずなのにいざ幕が開くと本当に初音ミクが「いる」としか言いようがない存在感で頭を殴られたくらいの衝撃を受けた。ステージ前方の斜め上くらいから見てたんだけど身長もほとんど人間そのままだし、スクリーン感は全然なくて本当にミクさんが「ステージに立ってる」としか言いようがない臨場感だった。

それでミクさんがまた、本当にかわいかった。ほっそい体でいつもの声で歌って踊りながらステージの端から端まで動き回るのがほんとに可憐で愛おしい。1人のキャラクターとしての初音ミクをこんなにかわいくて魅力的だと実感したの初めてだろうな。そういえば最初のProject DIVAが出たときもミクの歴史にとって結構エポックメイキングな出来事だったみたいだったのを思い出した。

セットリストは歴代のマジカルミライのテーマソングをすべて演奏する豪華な内容。1曲ごとにバーチャルな演出が入り、MCが入る間もないままミクさんが次々に早着替えで歴代の衣装にチェンジしていく。これも感動的。予習始めたのライブ2週間前くらいなんだけど。

曲はたぶんマジカルミライっていう大きな節目のイベントに合わせて作られた曲が多い関係上、ミクからユーザーへのアンサーソングのような強い感情が込められたメッセージソングが多い。
それとこれ言うと身も蓋もないんだけど、めちゃくちゃBUMP OF CHICKENみたいな曲が多い。でもこの”青さ”はさすがに直接の影響下だと思う。さらに一昔前ならピロウズか。

そしてもう1つ感じたのが、本当に初音ミクって本当にボーカロイドっていうソフトが元になっているだけあって「媒体」みたいな存在なんだなぁってこと。
公式に原作があってそれに対して二次創作が~っていう関係じゃなくて。ユーザーに使われることで初めて実体になる。曲も創作活動を始め個人を勇気づけるものが多い。
絵を始めてからキャラを公式に寄せることの労力を思い知らされてるんだけど、それと対極にいるのがミクさんなんだな、と今更当たり前のことに気付かされた。

ようやくこれくらい感情が込められてて刺激の強いものもちゃんと受容できるくらいに回復してきた。

素直にまたちょっと前向きに頑張ろうって思えた。やっぱり何事もタイミングだったな。
初音ミクと出会う日を、今日まで待ってたんだろう。