ライジングサン行った

2024年8月20日

宇多田ヒカルのツアーが当たらなくてフテてたらRSRにスピッツの出演が発表されたので行ってきた。

2日目のみで一応夜明けまでいる予定だったので準備も色々考えたけど、フジとかに比べたら大してハードな環境じゃないのでホームセンターと100均で足りないもの揃えて後は家にあるもの適当に持っていった。

12:00 Arata

11時頃に現地到着、入り口そばにある物販を見るとスピッツのブースが長蛇の列になっていたけどまだ完売してないようだったので並んだ。結果的に拍子抜けするくらい簡単に買えた。どんだけ持ってきたんだろう。

並んでる間にそばにある一番小さなステージdef garageで新人オーディション枠のArataのライブが始まったので並びながら聴いて買い終わってから観た。今っぽいオシャレなダンスロック。

前日にテレビで聲の形とサイダーのように言葉が湧き上がるやってて2時まで起きてたせいで体のコンディション悪かった。しばらくはビール飲んだりメインエリアのどこでも聴こえるマイヘアを聴きながら会場うろついてた。

昔来た時はテントサイトの他にレジャーサイトっていうシート広げて場所取っておけるエリアがあって、日帰り客の休憩はそこ使う感じだったんだけど、久しぶりに来たらなんか全然空いてなかったので結局その時々で適当な地面に座ってた。

ピザがおいしかった。

14:20 LiSA

うろついてたら最初にやった紅蓮華聞き逃したらしい。SAOと魔法科高校の劣等生のOPは聴けたのでアニプレックスへの信仰心を高めた。めちゃくちゃ広いステージを一人で縦横無尽に使っててさすがにプロやなーって感じだった。

15:10 THE BACK HORN

個人的ハイライトの1つだった。屋根付きのアーステントに入って音浴びた瞬間にカチッと頭のモードが切り替わる感覚を味わった。さすがに年季入ったロックバンドの圧というか、訴えかけてくる説得力を感じた。単純に音楽性だけで見ても意外とカテゴライズし難いバンドだと思うんだよね。単純なパンクでもないし。

バックホーンは熱心なリスナーではなかったけど、大昔に山田将司とつじあやのがフィッシュマンズのいかれたBabyをカバーしている動画を見てそのボーカルにえらく感銘を受けてずっと頭に残ってた。

生で見たら今でもすげえ声出てて圧倒された。

しかし半分くらいの曲わからなかったけど本当に心に来るものがあるライブだった。この後バックホーンのタオル買った。久々に音楽でこういう感覚になったな。

16:10頃 ヒトリエ

ボーカロイドの履修始めてから故wowakaが立ち上げたバンドということで興味あったし、元々ミクで作った曲も演奏してると知って気になってた。タイテがバックホーンの真裏でもったいねーと思ってたけど、終わったあと急いで行ったら最後だけ聴けそうな時間だったのでダッシュで向かった。結果的にアンノウン・マザーグースをやる直前でジャストで聴けた。

フロントマンの存命中以来10年ぶりの出演で、演奏前に「10年続けたおかげでこの曲を持ってくることができました」みたいなMCを入れていたんだけど、この「曲を持ってくる」ってフレーズをこの後もいろんなところで耳にして、定番なんだとは思うけどこういうバンドのストーリー性を感じることも普通のライブじゃあんまないので心に来るものがあった。

18:00 スピッツ

さすがにこのためにチケット取ったんだし、ちょっとは前で見るかと思って1時間前から待機しに行った。ほんとの最前以外は案外ガラガラだったので適当に中盤くらいの位置に立ってたんだけど、途中からみるみる人が増えていき、終いには裏で被ってた9mmが空港の事件で中止になったので数万人の客全員がスピッツしか観るものがなくなり、完全にスペースが足りなくなってスタッフが必死で詰めさせてた。

開演直前になっても最前エリア真横のモニター前にスペースが空いたままになっていたようで、声のでかいスタッフさんが「ここ空いてます!めっちゃ近いです!マジで近い!!ここ詰めないともったいない!!!みんなの力で詰めましょう!!!!」と叫んでたので熱量に押されてそっちに行った。おかげでMC中にファンサで両端の花道回ってくれた草野マサムネ10mくらいの距離で見れました。ありがとう。近くの女性が「かっこいい……」って恍惚の声上げてたけど俺も同じこと思った。

他のステージでキャンセルや遅れが相次いでいる中で、このステージも予定を10分過ぎても開始されず、周囲でも本当に間に合ってるのか?みたいな雰囲気が漂う中無事にスクリーンが切り替わりスタート。1曲目に静かに空も飛べるはずのイントロが始まってもう今日ここで終わってもいいと思った。意外と演奏されること少なそうなんだよ。野外のロケーションなのも相まって最高に気持ちいい。

この後もハチミツ、日なたの窓に憧れて、スパイダーと生きてるうちにライブで聴きたかった曲相当やってくれて至福の時でした。本当ありがとう。ワンマンの時よりも集中して青年の妄想の頭の中みたいな歌の世界に浸れた。スピッツは特に生で聴くと「この音楽って本当にこの人が作ってこの人が歌ってるんだ…」みたいな気分になる。

スピッツの演奏中に日が傾いていって、終わると闇の中。自然の中の夜って本当に質量感じるくらい暗いよね。吉村昭の『羆嵐』に書いてあるようなあの感じ。

19:20頃 フレデリック

次に見たかったフレデリックがずっと離れてる2番目に大きいステージのレッドだったんだけど、スピッツ終わりで急いで行った。オドループしか知らなかったけどさっと予習したら曲を出すほどにめきめきレベルアップしていってるのが見て取れたので期待値は高かった。彼らを見てると2000年代にちょくちょくいたけどみんな売れなかった邦楽ダンスロックバンドのありえたかもしれない未来を見てるような気持ちになる、the ARROWS(ウドーフェスで観客10人だったとされる)とか……。

「最初に出た時はdefだったけど今回はレッド」「当時はまだこの曲はなかった」みたいなMCを入れてからオドループ演奏していてバッチバチに盛り上げてた。深い夜の闇の中でステージライトに照らされた人の海が一体になってるのはさすがに結構感動する光景だった。

時間空くのでご飯。

ご飯食べてる間に花火見れた。夏っぽいことできて良かったね。

22:00 the pillows

メインエリアに戻ったらいつも行列してるいちごけずりが空いてたので、スカパラ聴きながら食べた。それからUターンしてレッドに戻る途中で木村カエラがちょうどリルラリルハやってたからちょっと見た。そこから歩いてピロウズ。

セトリ

  1. LITTLE BUSTERS
  2. Blues Drive Monster
  3. MY FOOT
  4. LAST DINOSAUR
  5. TRIP DANCER
  6. サード アイ
  7. バビロン 天使の詩
  8. I know you
  9. Funny Bunny
  10. About A Rock’n’Roll Band
  11. この世の果てまで
  12. ハイブリッド レインボウ
  13. Locomotion, more! more!

何かの夢か?ほとんど音楽聴き始めの高校生の頃に聴いてたFool on the Planet(ベスト盤)に入ってる曲と当時の(当時で既に)人気曲ばっかりなんだけど。ピロウズのフェス用セトリってターミナルヘブンズロックとかじゃなかったっけ(後々知ったけど来月アニバーサリーライブやる予定らしいのでそこから抜粋みたい)。

いつか生でMY FOOTとかサードアイ聴くのが夢だったんだけど、ピロウズみたいなバンドじゃ熱心にライブ通ってるファンじゃねーと演奏される機会に立ち会えねーだろーなーと思ってたのにこんなタイミングで叶っちゃうのか。TRIP DANCERとかこんな普通に聴けていいのか。

しかしピロウズのこの曲並べられるとさすがに心を打たれるね。Funny Bunnyで大合唱は泣いちゃうよ。最後の歌詞を「君にはそれができる」から「僕らはそれができる」に変えて歌っていて山中さわおのステートメントを感じた。

23:00頃 菅田将暉

菅田将暉見せてくれるっていうなら見たいだろと思って見に行った。そんな奴が1万人くらい集まっててバカみたいな人だかりだよ。しかも菅田将暉なのに屋根付きの狭いステージに配置されてるし。菅田将暉だぞ。ただ一応このテントステージ横の壁が取り払われて屋外にモニターも置かれてて、音響もわりとちゃんと聴こえるし意外と中のステージも見えるようになってた(写真はライブハウスの外で音漏れ聴いてる状態のエリア)。

思い入れとか思い出は全然ないけど俳優がやってる音楽活動って結構好きなので見れて良かった。声がいいし佇まいにタレント性を感じる。ライブのクオリティもしっかりしてたし。友人の米津玄師からの影響も大きいんだろうな。

ここで12時を回って日付が変わる。このフェス一応オールナイトってことにはなってるんだけど、実際はこのあたりから店は品切れ増えて店仕舞し始めるし、ライブの数も減って全体的に雰囲気がまったりしてくるので、車で来てたら「まあそろそろいいか……」みたいな気分になって帰ってたかもしれない。昔は夜通しやってるテクノのステージとかあった気がするが。

00:40 XIIX

観るもんが限られてるので体力配分重視で近くのアース行った。完全に一切の事前知識なしのバンド。テン・トゥエンティって読むらしい。最初のMCで「夜に似合う曲をたくさん持ってます」って言ってただけあって、今っぽい大人な雰囲気のロック。カチッとした演奏で歌もうまい。知らん人だけどやっぱ今の若いバンドはみんな技術あるんやな~と思いながら見てた。歌声もなんか聞き覚えある気がするけど、多分知ってる誰かの影響を受けててこれが今の流行りの歌い方なんだろうと解釈して聴いてた。

途中MCで「XIIXとしては初めてなんですけど僕らは諸事情で何度か出ていて……」みたいなことを言ってて、ああそういう感じの人だったのねどれどれと思ってスマホで検索したら

関連する質問

XllXのメンバーは誰ですか?

UNISON SQUARE GARDEN のギターボーカル・斎藤宏介と、ゆずや米津玄師、Superflyなど様々なアーティストのレコーディングや楽曲アレンジ、ライブサポートなどで名を馳せているベーシスト・須藤優(すとうゆう)がタッグを組み、新たなバンド「XIIX」(テントゥエンティ)を始動。

ゆ、UNISON SQUARE GARDEN。そりゃ声に聞き覚えあるわ。後でTwitter見た感じまったく同じ流れを辿った人が相当いたみたいだった。しかしめっけもんだったなこれは。最後まで観たけど曲のバリエーションも多くて終盤にピーク持ってくる構成力も持っててものすごく良かった。田淵智也っぽさも感じる捻った曲調もありながら全体的に大人っぽくてかっこよかった。ツアーのワンマン申し込んだので当たったら行きます。

1:40 indigo la End

サンステに戻る。やっぱこの時間帯のライブの合間が一番しんどかった。疲労もあるけど単純に暇なんだよね。テントじゃないし椅子も持ってきてないから休む場所探すのもめんどくさいし。

川谷絵音は観て損することないだろと思って観てた。もうこの時間に配置されてる”意図”が強すぎて面白かった。曲名に「夜」がつく曲で半分くらい占められてた気がする。最後はしっかり意図を汲んだMC喋ってから夏夜のマジック。

3:00頃 KOTORI

アースに戻る。このバンドも何一つ知らずに見に行ったけど面白かった。モッシュダイブしまくりで歌詞やステージパフォーマンスは下北系というか青春ロックというか「いわゆる邦ロック」って感じなんだけど、音がマニアックでシューゲイザーみたいだったりオルタナっぽかったりする。ステージ照明もスモーク炊かれてたりしてた。あーライジングの運営がここに配置するのわかるなぁと思った。

途中で観客ステージに上げてギター演奏させててキラーズで見たやつだ!ってアガった。アンコールでやったMasterpieceって曲だけどっかで聴いたことあったかもしれない。

4:00 クリープハイプ

言うほどクリープハイプ見たいか?みたいな気持ちは実際あったんだけど、せっかくだからの精神でスタンディング行って見た。本当申し訳ないけどイメージより朴訥としてるな…と思った。確かに町田康とかあの辺りのラインに通じるものがあるのかもしれない。

「バンド始めた時はいつか奇跡みたいな瞬間が起きると思ってたけど、いつまで経ってもそんなことはなくて、ある時からそんなものは存在しないと思うようになり、日常と地続きの…ポケットに入れて帰って洗濯したら出てくるような…そういう音楽をやろうと考えるようになった。そういうバンドにトリを任せてくれて嬉しい」みたいなことを言っててそれは結構染みた。

日が昇った。最初から最後までしっかり曇ってたので単にだんだん明るくなったな……の印象の方が強かったけど前述の尾崎世界観の喋りと合ってて結構これはこれでサマになってると思った。

全体的に行って良かった。もっとだらっと過ごして終わりな気がしたけど、ちゃんとマインドセットの切り替えになった。どのミュージシャンも虚心坦懐に見ればみんな真摯に音楽やってるなぁと素直に思ったし、ちゃんと新しい音楽掘ろうというモチベ貰った。後はネットミュージックみたいなシーンと並行してこっちの世界も昔に比べて邦楽が強くなったなぁと思わされた。

あとは場所とかロケーションによる特別性って思ってた以上にあるのを感じた。あんまりフェスの神秘性とか信じてないけど気持ちの入り方が違った気がした。