いよわ

2023年11月11日

ボカロの履修もクラシックを一通りさらって、ぼちぼち現代の作家を聴き始めたんだけどこの人がぶっちぎりで凄いと思う。
きゅうくらりんがミーム化してるし、自分もこの1曲だけ聴いて後はずっと未聴のままだったんだけどちゃんと聴き始めて目の醒める思いをした。正直言ってモノが違うと思う。ボカロシーンという閉鎖的な生態系で何世代も進化が繰り返された結果生まれた突然変異という感じがある。

特徴は不協和音のような歪な音色がループする、不安定な印象を与える楽曲。なのにエレクトロニカや実験音楽にならずにちゃんとポップスになってる。

 

「音楽ファンにも聞いてほしいボカロ曲」みたいな括りで勧められてる作家ってシンプルな歌ものから外れたマニアックなジャンルの音楽をやってる人が多いイメージなんだけど、この人はその範疇じゃ括れない。「ボカロシーン」が10年以上かけて培ってきた流れを汲みながらその外の一般性に訴求できる感性がある。たしか初音ミクの開発のきっかけに竹村延和からクリプトンに直でミク以前に販売されてたソフトへのダメ出しがあったってエピソードがあったけど、それから15年経ってついにこういう音楽が出るようになったんだみたいな感もある。

米津玄師が出てきた時は音楽的にものすごい洗練されてて同人音楽くささが全然なかったから後でボカロPって知って驚いたんだけど、今の時代になるとボカロっぽさを残しながらこんなに洗練されたのができるんだと驚いた。しかも絵も動画も自作で現在の作品は半分くらい10代での制作。

2ndアルバムにおいしいところがまとまっててものすごく良い。CDも買っとこうか迷ってる。