こういうこと書くと頭の中でお前理屈こねられるような画力かよってツッコミ入るから控えてたんだけど、このままだと永遠に書きそうにないのでいい加減書こうと思います。あと意外とこういうこと書いてる人少ないんだよね。
現状の進捗はこれくらいです。
いや…どうなんですかね。まじで絵って自分で描くと他人から見てどういう風に感じるのかってわかんないんだよね。あんま見栄えするようなレベルじゃないけどそこそこ絵っぽい絵にはなってると思いたいんだけど、そう自己判定してる根拠も含めてこれから書きます。
で、遡ること2年ほど前に絵やるかと思って始めたんだんけど、最初にまずお手本はあった方がいいだろうということでTwitterからなるべく描き込みが少なくてシンプルな線と塗りの画風の人のキャラ絵をいくつかダウンロードした。なんとなくよく見かける気がする斜め向きっぽい顔のやつがいいだろうということでそういう角度の顔のものに限定した。
実際集めて見ると意外と斜め向きの角度って結構みんな似通ってるなということに気がついた。まあそりゃこんなに趣味で描ける人多いんだから角度1度単位でパース取れる人ばっかとかそうそうないよなとか考えながらしげしげと見てるうちに、ふと急に思った。
目って意外と下の方についてるな……
どういう意味かというと自分でも説明しにくいんだけど何かピンと来た気がして、そして(どういう理屈の流れなのか全然説明できないんだけど)こういうのを作った。
何かというと正方形を4分割してその中をさらに4分割(つまり16分割)したグリッドです。これならフリーハンドの介在する余地がないのでツール使って正確に作れる。書き忘れてたけどよくある丸書いて十字切る顔の描き方はまず丸を描くのが不可能だったので最初に諦めてます。
そしてこれをさっき落としてきた絵の顔の部分に重ねてみた。
で、そのとき本当に驚いたんだけど、どの絵もかなりの確率で左目が中央やや下に来てた。
どういうことかと言うとこう。
しかも、この位置は女の子の絵なら絵柄を問わず(ここで言う絵柄は塗りとか描き込みの情報量)大半の絵が一致していました。
いや…でもなんでこうなる?こういう描き方見たことないし。そもそもイラストってこんな平面的な考え方だけでいいの?とか一人で混乱しながらひとまず暫定的でもいいからなぜこういうことになるのかの根拠を作りたくて次に取った行動がこれ。
家にあるドールさんを同じくらいの角度で写真撮って同じようにグリッドを当てはめました。
ガバいんだけどまあだいたいほぼ同じくらいだろ。そして実体のある立体物でこれくらい当てはまるんならばこの比率に当てはめれば顔が描けるんじゃないか。つまり、「最初に正方形の中央やや下に左目を置いてそこから比率を逆算して他のパーツや輪郭線を配置していけばそれっぽくなるんじゃないか」、さらに「この頭の大きさを基準にして頭身を測れば全身まで描けるんじゃないか」というのが考えたことでした。このとき調べて初めて漫画絵やアニメ絵のキャラクターは6頭身が一般的基準になっているということを学んだ。
余談ですが私の独自研究では目の位置がここに来るのはおそらく最近の美少女絵で特に顕著です。目・鼻・口がぎゅっと凝縮されたような形で極端に頭部の下の方についていて、鼻はネコ科の動物のようなマズルに近い形になってる(横顔になると特に顕著)。
美術解剖学を勉強してて気づいたのだけれど、2次元キャラの顔(特に横顔)って、もしかして猫に似せてデザインされているの……? pic.twitter.com/Q7TwY4cQYe
— テミル🦉 (@Temir_xtn) September 14, 2022
この例のキャラが原神の甘雨なのも示唆的で、独自調べではブルーアーカイブやホロライブのキャラもほぼこのバランスです。逆に時代を遡っていくと2010年くらいで既にここまで極端ではなく(今の基準からすると)やや面長の場合が多い。
で、描き方の話に戻りますが、後々知ったところでこれは「グリッド模写」と呼ばれる方法に近いらしく、初心者の練習法としてわりと推奨されています。
現役で作監やってるアニメーターさんなので説得力があると思って持ってきた。グリッド描きはうまくならないみたいな意見もあるんだけど、個人的にはやっぱこれが一番基礎の基礎として大きかった。2番目の動画で伝統的な石膏デッサンでも格子状のスケール使うことが言及されてんだけど美術の時間で使った人もいるらしいね。
しかしそうは言っても疑問は残る。これって結局平面的な捉え方とか操作でしかなくない?絵の描き方って立体感を出そうみたいなことばっか書いてない?そういった疑念を解消できないままこの後も違う描き方試したり参考に落としてきたイラストを延々分析したりしてずっと考え続けてたんだけど、最終的にはこれは「ある立体物をある視点(パースペクティブ)から見た像(写像)として平面的に捉える(シルエットとして捉える)」のに役に立つ、くらいに言語化してようやく自分の中で腑落ちさせられました。
『脳の右側で描け』という古典があって、個人的には一度ざっと立ち読みしただけなんだけど、その中に「描く対象を逆さまにして描き写す」とみたいなトレーニングがあるらしくておそらくそれの効果もこれに近いと思う。要するに事物に対する先入観を排除して線と線の距離やパーツ同士の比率で捉えるようにする練習という。
ついでに最初に左目描くのもほぼ同じような描き方提案してる方も一人だけいました。アニメ私塾の室井康雄さんです。
●斜め顔は片目で決まる‼︎
片目が頭全体の中間あたりにあるので全体の方向性をコントロールできる。
全体→中間→細部の応用編。
中級者以上のいきなり形を決められる人推奨のシュートカット手順。 pic.twitter.com/bq9SyET2So— アニメ私塾 (@animesijyuku) May 14, 2020
やや癖が強いので好き嫌い合う合わないが分かれると思うんだけど、私はかなり合う方でした。さらに後になって身体の描き方で唸ってたときも「シルエットを取る」「曲線ではなく直線で形を取る」というのを見てから一気に進展しました。した気がします。
で、そういった流れに基づいて作ったのがこれ。
アタリです。首から下の部分はどういった形を取ろうとしてたのか思い出せない。あと淡々と書いてるけど初日に正方形の格子作ってからここに辿り着くまで2週間くらいかかってます。
言ってもこの段階じゃ自分が正解のことしてるのか不正解のことしてるのか何もわからないので、何かキャラ被せようと思って当時ブルーアーカイブのエデン条約編やったばっかりだったので阿慈谷ヒフミさんを持ってきた。
いや…それっぽくはなってるんじゃない?なって…なってないかな?ほんとに自分の手応えと他人から見た評価ってわかんないんだよね。だから絵師みんないいねが指標になって病んでくんだろうけど。
私の現状はピアプロ公式がピックアップしてくれたやつが100いいねと90いいね取ってるのがピークです。
ユウノさんのリンちゃん!ピースするリンちゃんがカワ(・∀・)イイ!!ホー!シュワッと爽やかな雰囲気だホー✨【https://t.co/fMQPyXW8zy】 #piapro #鏡音リン pic.twitter.com/sKpCbVQLn3
— piapro(ピアプロ) (@piapro) April 2, 2024
まあこれでもそう簡単にはいかなくてたびたび詰まってるというか現在進行形で詰まってて苦しみ9割みたいな趣味だけどなんだかんだ挑戦して良かったと思います。やっぱり絵描けるって憧れだったしね。
他にも自分で手動かして初めて気付くこといっぱいあって単純に面白くてネタも溜まってるので気が向いたときに続き書きます。