そろそろこういうことを文字に起こしておくべきだと思い始めたので書いておこうシリーズ。少し前にライブラリを整理した時にもこれは確実に自分の一部であるなという感覚があったので、とりあえず羅列だけでもやっておきたかった。後々できるだけ個別の記事にしたい。
具島直子
1996年デビュー。最近のシティポップブームで再評価されてたらしいということに去年気付いた。アナログまで出てて衝撃受けた。
たしか知ったのは2006年くらいで、当時で既に知る人ぞ知るアーティストだった。ただそれでも忘れ去られていなかっただけの理由は十分にあって、流行に左右されない古びないサウンドだと思う。代わりに派手さもほとんどない。
カテゴリーとしてはAOR。ただ安易にカテゴライズするのが躊躇するような感じも強い。流し聴きもできるけどイージーリスニング以上にフックがある。バックの演奏から潤沢な予算が感じられるけど本人の個性が食われてる感じもない。ボーカルは繊細で滑らかだけど芯もある。多分この先も人づてに静かに聴き続けられるような気がする。
葛谷葉子
1998年デビュー。具島直子とセットで知った。たしか松尾潔が具島直子に影響を受けてプロデュースを手がけた、みたいな経緯があった気がする。ネットで見つかった情報はこのあたり→ たけひろゴールドDIARY:具島直子、奇跡のアナログ・リリース!!
この人も好きで、いまだによく聴く。この頃のR&B調のJ-POPって今聴くとまあ時代感じること多いんだけど葛谷葉子はまだ時代に耐えられてると思う。具島直子もだけどたぶん本人が曲書けたのが大きい。
貼ったのは2ndだけど、1stアルバム(Spotify)も捨て曲なくて好きだった。
hàl
1996年デビュー。向井秀徳が作曲し54-71が演奏した「6階の少女」(Spotify)が有名かもしれない。
ぱっと聴くと第一印象は細いけど芯のあるボーカルのストレートなSSWみたいだけど、意外なくらい楽曲の幅が広い。他に代表曲として当時としては珍しいサニーデイ・サービス曽我部恵一の提供曲「もう青い鳥は飛ばない」(Spotify)。
一十三十一
2002年デビュー。一十三十一は確実にこのカテゴリーに入る。SPANK HAPPYとCymbalsは違うけど一十三十一は入る。そういう感じ。
最近はほぼシティポップのお姉さんだけど1stアルバム『360゜』がほんとに好き。無国籍的。
湯川潮音
2006年デビュー。湯川潮音も入る。青葉市子はギリ入らないけど湯川潮音は入る。そういう感じ。
もうそろそろ活動歴20年くらいになるのかな?東日本大震災のときにUstreamで弾き語りで歌っていたフラカンの「深夜高速」がずっと頭に残ってる。
YouTubeにはworld’s end girlfriendと一緒にやったバージョンもある(リンク)。
岡北有由
2001年デビュー。この時代のメジャーの女性SSWはだいたいR&Bか轟音のギターが鳴ってるオルタナグランジ系かがとにかく多い。この人は後者。初期はほぼ椎名林檎フォロワーだったのがだんだん変化していく。アコギと打ち込みが入ってくる3rdが好きなんだけどサブスクはおろかYouTubeにもない。
…で、その後は表から消えたとずっと思っていたんですが、最近調べたところ、メジャーの契約切れた後ロンドンでバンドやっていたというのをようやく気付いた(ネドリーというバンドで残響レコードでも出してたらしい)。その後は帰国して現在はエクスペリメンタルみたいな音楽性のソロ活動やってるらしい。フェスにも出てる。上に貼ったのは2019年作の全楽器の演奏からミックスダウンまで全工程1人でこなしたというアルバム。
亜矢
2001年デビュー。たしか岡北有由とセットで知った。この人もオルタナグランジ系。BAGHDAD SKYというアルバムが好きなんだけどサブスクがない。
この人も今はもう音楽やってないとばかり思ったら2015年から活動再開してたらしい(リンク)。Twitter見ると去年もライブもやってるっぽい。
去年あたりからこの記事書く準備でひたすら検索かけてたんですが、こういう「メジャーで2枚くらいアルバム出してその後の消息不明」みたいな方々のうち、かなりの割合が今も音楽続けてることがわかって目の覚める思いがあった。ここでは省いたけど、もっと時代遡って90年代にデビューして今現在50~60代になってるような人でもいまだに何らかの形で音楽に関わってる割合はかなり高い。表現の欲求持ってる人ってすごいですね。
松崎ナオ
1998年デビュー。めちゃくちゃ聴いた。初めて聴いた時から何年もずっと聴き続けてた。人格形成の一部を担っていると言ってもいい。日本の女性シンガーソングライターで本物の天才と言えば川本真琴と松崎ナオを選ぶ。2ndアルバム『虹盤』が特に好き。
一言でいえば「等身大のCocco」。少し舌っ足らずで特徴的な歌い方、ヒリついた焦燥感の歌詞、曲に載せられた感情の強度、作曲や編曲のセンスに至るまで唯一無二の人だと思う。この時代のJ-POPは才気走ってる人の最高のアウトプットをパッケージすることに成功している作品がいくつもあるけど、下で書いた高橋徹也や松崎ナオのメジャーの2枚のアルバムもそれにあたる。
メジャー契約終了後は毎年人間とは思えない本数のライブをこなして新作も発表していましたが、最近になってNHKの「ドキュメント72時間」に「川べりの家」がテーマソングとして使われたことでかなり知名度上がった気がします。番組にも出演してましたね。