よく聴いていた90-00年代邦楽シンガーソングライターの回想録 Part.2

よく聴いていた90-00年代邦楽シンガーソングライターの回想録 Part.2

朝日美穂

1997年デビュー。ものすごく上手い歌と一聴してわかるへんな曲、ジムオルークみたいな音響的なアプローチもやってる引き出しの多い人。

メジャー1stの『ONION』というアルバムと上に貼ったさかさまパラシュートという曲のシングルバージョンが非常に好きなんだけどサブスクはない。

昔から独立精神が高く、何事もてきぱきしてる人だったみたいで、最初の岡村靖幸トリビュートの企画を立ち上げたりしている。今もインディーズで活動中。「だいすき」のカバーがとても良いです(Spotify)。昔川本真琴とハイポジのもりばやしみほとやっていたミホミホマコトというユニットがあったんですが、この人がいろんな切り盛りやっているのがただ見てるだけでも伝わってきた。

松倉佐織

1995年デビュー?か?調べたけどWikipediaもなかった。今も音楽やってるみたいですが(現在は松倉サオリという名義)。と思ったらAmazonのレビューに詳しい経歴書いてくれてる人がいた。

ここに挙げた中だと一世代くらい前で、90年代前半に属する人だと思うけど好きなので。 SING LIKE TALKINGの佐藤竹善がコーラスで参加している「約束しよう」という曲が本当にいい曲。

櫛引彩香

1999年デビュー。この人は結構メジャーですね。今でも楽曲提供とかで名前見かける。

1st『mush☆room』のなんというか「この時代」感が好きでたまに聴く。貼った「妄想」は冨田恵一プロデュース。やっぱり邦楽シティポップはこの時代のが好き。

比屋定篤子

1997年デビュー。元々はワールドミュージックを取り入れてた人なんですが、流線形のクニモンド瀧口と共同で作った一連の作品が好きで、この2nd『ささやかれた夢の話』が特によく聴く。

この人もシティポップブームで再評価されたみたいで、数年前にアナログが出てた。

嶋野百恵

1998年デビュー。現在はクラブシーン中心に活動中みたい。この人もR&Bシンガーですが、とにかく曲が良くてアホみたいに豪華なプロデューサーが名を連ねている。どんだけ金があったんだこの頃の邦楽業界。

この前Twitterでデビュー当時のaikoと一緒に番組出てる映像が流れてきて腰抜かした。

吉沢梨絵

1997年デビュー。角松敏生が女性ボーカリストをプロデュースするVOCALANDという企画からデビューした人で、1stアルバム収録の「サヨナラはくちぐせ」という曲が好きなんだけどなんかサブスクに置いてあるのが意味不明な中途半端さでなんでこんなんなってるんだ。

高橋徹也

近年再評価著しい(たぶん)高橋徹也。菊地成孔先生が異能の天才と評していたこともある不世出の音楽家。

メジャーの2作『夜に生きるもの』『ベッドタウン』にカルト的な人気がある。ダークで現実と非現実性が交錯し、都会的でありながら世界のどこでもないような歌詞世界。特徴的なギター。怒りなのか焦燥感なのかもよくわからないロックの衝動。異常な人数がクレジットされているスタジオミュージシャン。

この人も人格形成に大きな影響があったレベルで狂うほど聴いた。知ったのはちょうど『ある種の熱』が出た後のほぼ活動休止中だった時期で、もう音楽はやめてしまったのかと思っていたんですが、その後どんどん意欲的に活動してくれていて本当に嬉しい。

最近、音楽と人で岡田育さんがインタビュアーをしていて、調べたら1stアルバムから追っかけてる高橋徹也ガチ勢だったと知って好感度3割は上がった。「トリのDJが明け方に必ず『新しい世界』をかける渋谷のクラブイベント」というのが、羨ましいというより行ったことがないのに知っている心の原風景みたいに感じる。

小林建樹

昔から「ジャンルとしてはJ-POPにまとめながら音楽的には変なことやってる」タイプの人が好きだったんですが、小林建樹が一番それにストレートに当てはまる気がする。

この人もかなり好きで埋もれてほしくないのでサブスクあってほしかったんですがないみたいだな…。上に貼った「満月」が収録されている1stアルバム『曖昧な引力』と2nd『Rare』が好きです。

この記事書いてる時に高橋徹也について書かれたこういう記事を見つけたんですが、

ここで突然ですが個人的な『90年代の四大シンガーソングライター』を挙げると、徳永憲、豊田道倫(パラダイス・ガラージ)、小林建樹、そしてこの高橋徹也。
もう一人誰か入れて五大とするならばスガシカオで、中村一義と七尾旅人はちょっと別枠。別枠なのは、全員を聴いている人ならなんとなくわかってもらえると思う。

【今日の2曲】高橋徹也 – ナイトクラブ / 静かになりたい | J-POP100

この感覚はかなりわかる。私は完全な後追いですが、この3人はもはやどういうルートで知ったのかも覚えてないのに高橋徹也・小林建樹・徳永憲の3人は気付いたら頭の中で同じフォルダに入れていた。日本でどれくらいの人がこれを共有しているのかはよくわからない。

徳永憲

私的邦楽三大男性シンガーソングライター最後の1人。徳永憲は息が長く、コンスタントに活動していてちょくちょくウェブメディアとかでも取り上げられているので俺が思っているいより知名度高い気もする。

たぶんこの人もギターで変わったことやってる気がするんだけど、音楽的なことがよくわからんのでぼけっと聴いてる。1st『アイヴィー』、3rd『眠り込んだ冬』、5th『スワン』あたりがよく聴く。

Spotifyにはフォロワーが作ったプレイリストもあります。

A Young Person’s Guide to Ken Tokunaga on Spotify

★★★

こんなところか、あと文脈的には荘野ジュリ、白鳥マイカ、fra-foa(三上ちさこ)、日暮愛葉(SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER)あたりも入れたかったけどキリないので諦めた。小島麻由美とか柴田淳とか安藤裕子はさすがにメジャーすぎて書かないでもいいか…と思ってやめた。ねえやんの新譜楽しみですね…って書いてたら発売延期になりました。ずっと待ってます。