Tokyo 7th シスターズ 5th Anniversary Live -SEASON OF LOVE-(2019.07.13~14)

Tokyo 7th シスターズ 5th Anniversary Live -SEASON OF LOVE-(2019.07.13~14)

良かった

とにかく良かった。なんか知らんけどめちゃめちゃ良かった。なんかこう爽快感と高揚感がすごくてなかなか余韻が消えない。自分の中では長らく3rdがナナシスライブのベストだったんですけど、今回ようやく更新された気がします。

セブンス抜きの4時間半

最初にネガティブな方の感想を言っておくと、初日はさすがに4時間半は長すぎない?特にMCいつもよりダラダラしてない?と思っていました。しかし、後にあれはバンドメンバーのわずかな休憩時間だったということに気付かされて仕方なかったな…と考え直しました。バンドの方々2日間本当にお疲れさまでした。

もう1つはもう全員言ってるけど席の格差。まあ会場が会場なんでしょうがないかなとは思いつつも、A~Hまでブロックがあって明確に良かったって言ってるのがB~Dくらいってのはどうなのよと思ってしまう。トロッコもそれそこまで意味ある?みたいな範囲しか使われないし。

ナナシスライブの本領は会場の空間すべてを近未来の娯楽都市Tokyo-7thに変える演出と構成の作り込みだと思ってるんですが、初日Eブロックで見てるときに銀テープがDブロックより前の空間にだけ降り注ぐのを蚊帳の外から眺めてる時のなんとも言えない気分とか本当になんとも言えないものがあったよ(普通のホールの2,3階席も同じようなもんだけど)。

とはいえライブの内容は上に書いたように過去最高でした。とにかくノンストップで曲をやりまくるというシンプルで明快なコンセプトをまた一段上げた狂気の37曲4時間半。音響も全然良かった。

そしてこれがセブンス抜きのライブだったというのが本当に大きいと思います。どうせt7sはシークレットやらんやろと思ってた通りAXiSもなし。それどころか777の定番曲ココマジやキラーチューナーすらやっていない。

同じくセブンス抜きだった武道館は完全にナナスタシスターズのライブとして物語性に大きく比重を置いていましたが、今回はセブンス抜きで過去のフルメンバー並みのテンションのライブを実現できてしまった。もちろん4UとKARAKURIがいるのは大きいんですが、それに加えてLe☆S☆Ca以降の、いわゆる後発デビュー組が著しく底上げされたと思います。ライブコンテンツとしての厚みがものすごくタフになった。というか書きながら気付いたけど今回やたら良く感じたの私が基本ナナスタ推しだったからなの大きい気がするな。

今まででもちょっとでも興味あるなら行ってくれ!!レベルだったけど、5thはもう興味ない奴を無理矢理引きずっていけるレベルです。

777☆SISTERSと派生ユニットの成熟

武道館と4thは777が完成形に到達したライブだったと思ってるんですけど、今回はそこから成熟と安定期に入ったように感じました。12(11)人の動きが本当に綺麗にピシッと揃う。ボーカルももう被せ使ってた頃が信じられない。スース…

それと個人的に書いておきたいこととしてはMELODY IN THE POCKETは4thより今回の方が断然良かったと思う。開幕2曲目の、それこそ今までココマジキラチュナをやっていた部分に置かれたメロポケ。これくらい濃い物語性のある曲ってみんな身構えてる初披露より(今だから言うけど4thの時は「おう…」くらいのテンションだった)、2回目以降のさらっと歌うフェーズに入った後の方がグッと来る。

ウィッチやSiSHの4ユニットも順当に最高。特に今回、かなり複雑な雰囲気になることが予想されたLe☆S☆Caの後にまた一気に会場の空気を持っていくにはウィッチのキラーナンバーしかなかったと思う(逆に便利に使われちゃったな感もある)。両日ともレスカからの暗転時にかなり長めの演奏曲ネタバレMCを挟んでいたのはそういう意図もあったような気がします。

そういう感じで、777のここまでの積み重ねがあった上での構成が随所に目立ったライブだった印象です。

大所帯になっていくシスターズ

5thはライブに非常にバリエーションと振れ幅の大きさが生まれてきたと思います。ナナシスはコンテンツの性格上、基本ソロではなくユニットで歌う&ユニットごとに明確なコンセプトが設定されているので、最近の(これまでより比較的短いスパンでリリースされるようになった)ユニットと楽曲数の増加がライブに直接反映されていたと思います。その一方で相変わらず総監督のチェックが効いているのでバラバラの有名作曲家に発注しただけのようなこともなく、ライブ全体を通した統一感も失われていない。

この部分は七花少女とCASQUETTE’Sの参加が大きく寄与していたと思います。特にキャスケッツは出番は短くてもライブの幅がぐっと広がっていたと思う。「4thよりフェスみたいな楽しさがあった」というフォロワーの言葉が印象的。

ていうかQOPが入った時点でも随分増えたな~って感じだったのにその後デビューしたのCi+RUSと七花少女とCASQUETTE’Sでもう13人追加ですよ、13人。次大丈夫?

さて、今回は真面目にゲームに打ち込んできた系支配人待望の七花少女のデビューでした。今回全体的に衣装とメイクに力入っててみんな綺麗だったと思うんですが、七花少女は特にキャラクターへの寄せ方が凄かった。みんなリアル七花少女って感じだった。宝木久美さんはマジで完全にトモエだった。そしてこれだけキャラに寄せても単なるコスプレ以上にきっちり仕上げてきてた。演者さんが揃って細かい装飾や、踊った時にスカートが綺麗に翻るようになっているという指摘をされているように、このあたりのこだわり方がナナシスライブの大事なところでありましょう。

そんなわけで、ゲーム始めた頃イベントで1枚取りして大事な戦力としてお世話になってきたようなみんながやっとステージ立つところまで来たんだなーと思いながら眺めるのはさすがに感慨深いものがありました。あと個人的にはやはり別コンテンツ(参照)で見てた森千早都さんのデビューが印象深い。

他にも坂道意識した制服衣装とか、7人もいるのでフォーメーションがくるくる入れ替わるのとか、振りコピ定番になりそうな花咲キオトメのサビの振り付けとか、何気に売れっ子声優が入ってておー初めて生で見たってなるのも今までのナナシスにないカラーで良かったですね。

CI+RUS、そして玉坂マコト(CV:山崎エリイ)というチート

みんなは山崎エリイと田中美海がTRICKのバニー衣装で出てきた時どう思った?僕は「マジか?」以外なかったよ。

このユニット見るたびになんでこんなバッチバチにアイドルできる子がこのコンテンツにいるんだ?ってなっちゃうんですよね。2人とも脚が細すぎる。今回の衣装とか絶対選ばれた一部の人間しか着れないでしょう。ライブで着るのまで考えてあれデザインしたのか?

それはともかく今回も1組だけ完全に別格レベルのキレのパフォーマンスやってて半分笑いながら観てました。俺が一番好きなのはシトラスは片思いのデッドボール~で思いっきり振りかぶる田中美海。シトラスはあんまり安定感あるからなのか長らくレスカが配置されてた開幕777の後に歌うセカンドブロック枠に収まってる印象です。ライブ序盤(序盤だけで1時間くらいある)を支えてくれた華やかなユニットでした。

で、山崎のエリイちゃん。大西沙織不在ということで、ニコラはどうするのかな~ダンス覚えるの相当負担だろうしカットかな~と思ってたら、いましたね。屈指の人気キャラにして声をあててるのはステージに立つために生まれてきたような声優、おまけにストーリーでも先輩2人組ユニットと絡みのある人が。多分キャスト決めた時は絶対ここまで考えてなかったと思うけど、こういうことできるようになったのもコンテンツが大きくなってきた証拠の1つだよなと思いました。

シークレット演出も良かった。1日目にウィッチが出て、SiSHが出て、あと2組は明日かな~とか思ってたらサンボンリボンも出てきて、え、じゃあニコラどうするの?ってなってたらMCで次がスペシャルユニット告知。鳴り出すチェックメイトのイントロ。誰?相方誰?ってなってる中マントで顔隠してる代役がカメラで抜かれ、メロディーの変わり目で明かされるエリイちゃんの顔。演出がうますぎる…好き…

それにしてもエリイちゃん結局自分のユニットでも新曲2つを含む3曲、そしてニコラの代打としてさらに3曲の合計6曲をったことになるわけで、本当に大車輪の活躍でした。ニコラの初回練習時にはもう振り全部入ってたらしいし。よくこんな子キャスティングしておけたなとまた感心していました。

ナナシスの誇るDIVAとガールズバンド

この人たちいると本当にライブが2枚も3枚も厚くなりますね。Tokyo 7th シスターズの一角を支えながら、既存のアイドルものと一線を画す性格をこれ以上ない説得力で表現してくれる本当に頼りになるライバル。

今回はなんと言っても2nd以来ようやく見れる秋奈さんがめっちゃくちゃに楽しみでした。いまだにKARAKURIが出演してた3rdがどうなっていたかを想像してやまないよ俺は。

4thの評判を見て(4th2日目行けなかった)期待度上げていましたが、やはり別格でした。Winning DayやAMATERRASのような超高レベル曲を振られているのに歌は音源より上手いしフェイク入れまくり。あえて原曲を崩して歌って格好良くなるレベルにあるのはこの人だけ。モデルみたいなスタイルに立ち姿も振舞も近未来の歌姫KARAKURIそのもの。4Uの3人がステージパフォーマーのカリスマだとすれば、秋奈さんは歌の値にパラメータ全振りした完全な歌姫(その代償でMCの値がゼロになってる)。もっと曲数と時間与えたらこの人だけで完全に他食っちゃうんじゃなかろうか。

そして2ndの頃もその傾向はありましたが完全に役が憑くタイプ。スイッチがオンになった時の全身のオーラの変わり様は生で見てると戦慄が走る。キャラなりきりMCもあんまりダラっとしてる感じしなかった。まあ普通に素のポンコツMCが面白すぎて一番短く感じた可能性も高いですが。今後も4Uに頼らずお一人でMCやってほしさしかないです。

4Uさんは…相変わらずだいたいただ飛び跳ねながら絶叫してた記憶しかない。3時間ぶっ通しでライブやってから登場してきてこの日一番の盛り上がりにしていくの何もわからん。

4Uがすごいのってこれだけやってもいまだにマンネリだったり予定調和的な盛り上がりにならないんですよね。あらゆる面で毎回新しいことを入れてくる。歌割りでもパフォーマンスでも衣装でも小ネタでも。どれだけ普段から会議してたら自転車なんて思いつくんだ。それと2日目久しぶりに愛forU聴けて超嬉しかったです。

柱の1つになったQOP

4Uがピークまで温めた空気を引き継ぎ、次は777がライブをクロージングするラストブロック。数年前ならセブンスシスターズがSparkle☆Time!!を歌っていそうな位置に抜擢されたのは羽生田ミトの信奉者たちによるロックバンド。

確実にQOPが今回のライブ一番のキーユニットでしょう。ロック少年茂木が一番入れ込んでるの絶対このユニットだなって確信したよ俺は。

自分の話をすると、今回QOPはかなり予習不足で行きました。具体的に言うと単独ライブはおろかアルバムを聴いたのがライブの数日前です。

しかし完璧だった。個人的ベストアクトはAMATERRASと迷うところですがDAYSにしたい。

支配人が長く慣れ親しんでいる既存3曲を一気に切り捨て、新譜から5曲を選曲し勝負に出たセトリ。にも関わらず完璧なステージだった。何よりボーカリスト野村麻衣子の実力がフルまで引き出されていた。1日目はまだ客が予習不足で反応まちまちだった気がするけど、2日目は完全に展示場ホールを隅まで掌握していた(なぜわかるかと言うと2日目Gブロック最後列だったからです)。他にも全メンバーの仕上がり、衣装から映像演出に至るまですべてが広い会場に一切負けていない強度があった。

DAYSで合唱を煽っている野村麻衣子さんは完全にムラサキが見えて震えながら涙止まらなかった。ペンライト消して左手振り上げながらただただ感動してた。

そしてDAYSから本物のロックバンドのアンコールさながらの勢いで繋げていくI AMで本当に痺れた、本心から痺れた。こんなに格好いいことができるようになったんだという感動があった。

Le☆S☆Ca

たぶん私以外にも相当数いると思いますが、今回のライブはレスカのために行くのを決めました。多くの人にとって深い思い入れのあるユニットだと思います。

自分の話ですが、4thのYELLOWと解散みたいなMC聞いてからとてつもない虚脱感に襲われて一度もうナナシスやめようと思っていました。しかしそれで逆に気持ちがリセットされていたので、今回のライブは逆に受け入れやすい方だったかもしれません。何かこちら側からももう一度レスカとナナシスに向き合い直すような気持ちが強かった。

で、実際見てどうだったかと言うと、よくわからない。なんて表現すればいいのかもわからない。

実際キャスト変更って大事件なんかみんなそんな簡単に受け入れられるわけないですよね。何をどうしたって違いが気にならないわけなんてない、現実的なトラブルの対処としてこれが最善の選択だったかどうかもわからない、感動にして消費しているだけに見えても仕方ないと思う。たぶん正解はないんだと思うし、この先もそう簡単に癒えることのない傷になるんだろうなと思います。それでも、このライブに来ることを決めた大半は、新しい門出を受け入れようとしていたはずだと思う。

最初に感じたのは、ホノカとしてステージに上がった植田ひかるさんを見ながら、ああ、なんてかわいくて綺麗なんだろう、と思ったこと。

再スタートのステージがかわいくて綺麗だったからなんなのか、と言われると普通に全然何も繋がってないんだけど、それ以外に何も考えることもできなかった。どうしてこんなに綺麗に見えるのか何もわからないけど本当に綺麗でかわいかった。理由も何もわからないけど、ライブの非日常の空間の中で一際輝いて美しかった。

泣かされることになるのかなとは思っていたけど、実際その時がやってきてみると全然想像もしてなかった形で泣いた。何が理由なのか全然言葉にもできない感情に襲われるまま植田ひかるの歌の一節や振りの一挙一動にただただ涙が出てきた。美しさに見惚れながら涙が止まらなかった。

MCでは泣いちゃってたし、言ってしまえばただ苦境に陥ってる女の子を応援したかっただけなのかもしれない。現実的な大人の事情により3人組ユニットのうち2人が降板し、ただ一人残った一番ふわふわしてた子が今度は引っ張っていく立場になった。そう見てもいい気がする。

それでも、実際はそんな単純なストーリーに回収していいのかすら迷わせるような、ただ目の前にあるステージそのものに何かしらの力が確かにあったような気がする。確かなのはただ涙を堪えるだけで限界だった。

大げさではなく、5thライブの主人公は植田ひかるさんでした。偶然と運命の巡り合わせでどんなに言葉を尽くしても語りきれない物語性が宿っていて、そしてそれを引き受けてステージに立っていた。新キャストのお二人もまだ役が決まって日が浅くかなり大変だったことが想像されますが、それでもデビュー戦としてはかなり多めと言っていい4曲を歌い切った。その中にはまるでレスカ版ハルカゼのようなミツバチという1曲も含まれていた。

これが本当に正解だったのかはわからない。でもフィクションを現実の逃げ場にしないことを掲げてきたTokyo 7th シスターズという作品がこういう道を選ばないのは嘘だったと思う。現実的なアクシデントに向き合い、メッセージを発することは必然だったと思う。そしてそれを引き受けたのはハルでもニコルでもなく、レスカだった。

それで、じゃあ結局お前はどうだったんだ、良かったのか、悪かったのか、と言われると、やはりわからない。この気持ちをどう表せばいいのか。感謝かもしれない、尊敬かもしれない。愛なのかもしれない。

去っていったあなたに

今回のライブは定番の開幕カウントダウンで西暦が2035年に進み、ライブの最後に夏陰、そして続けてハルカゼが歌われました。この文脈はほぼゲーム内のエピソードに準じていると言っていいでしょう。一応ネタバレを避けますが、ナナスタを去っていったあの人に宛てられた歌。

で、ハルカゼが2番に入った頃だったか、ふとこれはそれだけじゃないな、と思い至った。

吉井彩実さんと藤田茜さん。ああ、考えてみれば簡単なことだったな、この歌はナナシスを去っていったすべての人へ捧げられているんだな。

久しぶりの桜色の光に染まる会場を見渡しながら、5thライブが幕を閉じようとしていました。

補遺

2日目、スクリーンにBGM付きで思いっきり特報!って出してからサウンドトラックの発売発表したの本当にAXiSの制作ですべてが限界だったんだな…と思いました。

終わって宿帰ったらウィンブルドン決勝でフェデラーとジョコビッチがフルセット12-12タイブレークまでもつれこんでる試合最後まで見ちゃってああこの先5thと一緒にこの風景思い出すんだろうなってなった。